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ソチとクリミアにカジノ構想、ギャンブルは経済の最後の砦?

お読みになった方もいらっしゃると思いますが、7月18日付の朝日新聞朝刊に、MGMリゾートインターナショナル(米ラスベガス)のジェームス・ミューレンCEOのインタビュー記事が載っていました。日本国内でカジノが解禁され、複数都市にカジノができれば、「400億ドル(約4兆1千億円)の市場規模になる」という見通しを示していました。
ミューレン氏の主張によると、MGMのビジネスモデルは、カジノやホテル、会議場、劇場などをそろえた統合型のリゾート施設なのだそうです。

冬季オリンピックが終わって閑散とした競技施設の投資回収と再活用に頭を悩ませるソチ、併合したものの主産業の観光業が大幅に落ち込み、経済負担が重くのしかかるクリミア、そこにカジノをつくろうではないかという話は、早々に持ち上がっていました。
インタファクス通信によりますと、7月3日、下院の経済政策・イノベーション育成・企業活動委員会は、クリミア共和国をカジノ創設許可地域リストに含める法案を2回目の審議で採択するように勧告、また、その建設資金が連邦予算と国家コーポレーション<オリンプストロイ>から出ていないソチのオリンピック施設をカジノとして利用することを認可する修正法案も支持するとしました。
米ラスベガスのような、統合型のリゾート建設をイメージしているのかどうかは分かりませんが、私としては、日本以上に、風紀と治安の悪化やギャンブル依存症増加を懸念してしまいます。

ちなみに、この5年間、ロシアの現行法でカジノが解禁されているのはアルタイ州、ソチのあるクラスノダール地方、沿海州、カリーニングラード州の四つの地域です。

ヤンデックス・ニュース・サイト(http://news.yandex.ru/)から、7月4日付РБКの記事です。

「下院の経済政策等委員会はその総会で、アナパからソチへのカジノ移転を見込んだ修正案を全員一致で承認した。新しいカジノは、国営企業や国営銀行も含む投資企業の資金で建設されたオリンピック施設が並ぶ地所内に出現する、とベドモスチ紙が報じている。同紙はまた、形式的にはこの修正はチェスの世界王者アナトーリー・カルポフによって提案されたことになっているが、事実上の提唱者は政府である、とも指摘している。
『下院委員会がソチに関する修正案を温めていたとすれば、すなわち、政府案を支持せよというシグナルが当局から届いていたのだ』と某官僚は推論する。二人の連邦政府官僚は、(ソチオリンピックを担当した)ドミートリー・コザク副首相がプーチン大統領に、クラースナヤ・ポリャーナのエスト・サードック村に建設された複合施設<ゴールナヤ・カルーセル>の敷地内にカジノを開設することを提案した、と伝えた。この敷地は公開株式会社<クラースナヤ・ポリャーナ>が所有しており、同社の株式の92%をズーベルバンク(貯蓄銀行)が保有している。現在、複合施設は閑散としていて、誰もここで休暇を過ごしてなどいない。まさにカジノこそが、このプロジェクトを救う唯一のチャンスなのである、とベドモスチの記者は書いている。
今回の修正によって、政府は個別のどんなオリンピック・プロジェクトの敷地内においてもギャンブル営業を許可することができるようになり、カジノの開設権をズーベルバンクだけではなく、他の投資企業や投資家たちが獲得するケースもありうる、と某連邦政府官僚は推測する。『彼らの間で、政府認可の賭博営業権をめぐって争奪戦が始まるだろう』
ズーベルバンクの他に、<ローザ フートル>社、ガスプロム社、オレグ・デリパスカとヴィコトル・ヴェクセリベルグの企業グループが、オリンピックに向けて大量の住居や商業施設をソチに建設している。
プーチン大統領は6月11日に、政府とクラスノダール地方知事に対して、ソチにギャンブル地帯を設ける問題を検討するよう指示を出していた。確かに大統領自身は、カジノの周りには『特有の手合い』が集まり、そうした連中が現れれば、ソチは平均的な所得階級の家族的な保養地というステータスを失ってしまうかもしれない、ことは認めている。
2013年の12月末に、政府会議でソチにカジノを作るアイデアを持ち出したのはゲルマン・グレフ旧経済発展貿易相だった。『もちろん、これは、どの地下室にも未成年者たちが遊ぶゲーム機が置いてあって、庶民が給与の全額をすってしまう、といことではない』と、当時、旧経済発展貿易相は強調していた。」

案の定、7月4日に下院が、7月9日に上院が採択して20日も経たない7月23日に、プーチン大統領はクリミアとソチにカジノを創設する法律に署名しました。
クリミア共和国の暫定首相セルゲイ・アクショーノフは、半島全域にカジノゾーンを設けるわけではなく、バリシャヤ・ヤルタ地区に限る、と記者団に対して述べました。(7月23日付ウトラRU電子版(http://www.utro.ru/) ちなみに、カジノゾーンの線引きは、地方当局の提案や希望を参考にしながら、最終的にはロシア連邦政府が決めるそうです。
アクショーノフ暫定首相は、ほかの国々でカジノビジネスの経験があるエキスパートたちの意見を聞きながら、開設場所を選別しているところだとも付け加えました。「我々としては、マカオやロス・アンジェルスで、カジノビジネスをすでに展開している人たちに参加してほしいと思っている」と。

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