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<メイド イン ロシア>製品の輸出は伸びている?

一般の人は、ロシア製品と言えばマトリョーシカぐらいしか頭に浮かばないでしょう。
資源頼みの輸出構造を何とか変えようと、ロシア政府はずいぶん前から悪戦苦闘を続けていますが、現実は何ともお寒い状況のようです。
11月26日付ガゼータRU電子版(https://www.gazeta.ru/)が、第5回<メイド イン ロシア>輸出フォーラムの実態を、次のように伝えていました。

「資源外のロシア製品の輸出が伸びている? しかし、この方面で政府の貢献度はゼロに近かった。輸出促進の<ロードマップ>は結局この5年間で実現化されないままだった。そしてロシアは今だもって、例のごとく、レース製品やマトリョーシカやブルドーザー<КамАЗ>シリーズや自動小銃カラシニコフで世界の目を引こうとしているのである。
今週、第5回<メイド イン ロシア>輸出フォーラムが開かれた。フォーラムの目的は、資源外の国産輸出製品の潜在力を示し、国外に商品とサービスを売り出していくための国の支援制度を討議することだ。フォーラムを開催したのは第一副首相のイーゴリ・シュワロフだが、官僚たちは壇上に上がる前に、ロビーでロシアの輸出製品のサンプルを眺めて回った。フォーラム向けに輸出品の中でも最高級品が展示されていた:ありとあらゆるマトリョーシカ、蜂蜜、<ロシアンティー>、ヴォーログダ州のレース製品とフェルト製品などなど。そのほかにも、ワインやマカロニ、スキーウェア、エンジンオイル、ミニチュアのガントリークレーンまであった。
マトリョーシカ制作会社の代表はガゼータRUに、わが社の製品は外国人たち、特にフランス人やイタリア人やスイス人の間で人気がある、とアピールした。注文品を除いて、300種類のマトリョーシカが手描きで制作されている。そのほかにも同社は現代のトレンドとして、例えば一つのマトリョーシカに三つのタイプを入れ子とした作品も販売している,という。今年はどれだけのマトリョーシカが輸出されたか、と突っ込んだ質問をすると、商品は基本的に、各都市の国際空港内やロシア鉄道車両内の<デューティフリーショップ>を通して、ロシア国内で消費されている、と認めた。つまりこの場合、輸出業者というステータスは借りのもので、こちらがあちらに出ていくのではなく、あちらがこちらに来てくれているのである。
ヴォーログダ州のレース製品の職人も、この製品がよく知られている欧州諸国の名前をほぼすべて列挙したが、マトリョーシカ同様にレース製品も、基本的にはモスクワのサドーヴォエ環状線の内側で買いつくされている。
これに対してマカロニ生産工場は実際に、隣国ベラルーシからカナダ、ブラジル、タイ、日本に至るまで、世界35か国にその製品を輸出している。同社が海外市場を開拓し始めたのは7年前のことだ。輸出業者はずいぶん前から自立しているというのに、国家支援の制度がなぜ必要なのか、わからない。そんなものはほとんど必要ないだろうに・・・
『<メイド イン ロシア>のブランドで国際見本市に出展する費用の一部を補助してもらっています』と、同社代表は答え、やはり何も出ないよりはいいですからね、と付け加えた。
次なる輸出業者は、世界最大級の民間石油採掘会社の一つだった。フォーラムに展示されていたエンジンオイルは、すでに100か国で販売されている。毎月の輸出量は5万トンである。
<カラシニコフ>と<КамАЗ>もそうだが、この種の輸出業者は恥ずかしげもなく借方に記入する。政府から国産品輸出の後見人とされてまんざらでもない。国外進出するためにしかるべき特恵に値するとされるブランド製品を、全部で約30も抱えている。しかし、リストには2012年以降、つまり政府が<メイド イン ロシア>製品とサービスで世界に打って出ようと決意した年以降に登場した新ブランドは一つもないのである。
政府は、2000年代にロシアにやってきて、ロシア娘にほれ込んで、カフカスに自身のワインハウスを創設した生粋のスイス人ワイン醸造者レノ ビュルニエの事業さえも功績に仕立てている。彼はスイスにも醸造者を抱え、ワインを生産しているが、かの地ではロシアワインはたとえブランドものであっても必要とされない。そこで彼は自社生産のワインをロシアで販売しているのである。ロシアの官僚たちの援助は受けていない。
550トン級までのガントリークレーンや舗装用クレーン等を生産している会社は、国の保護を必要としている。しかし、予測通り、国外の競争相手には負け続けている。輸出はわずか5%にしか満たず、主にユーロアジア経済連盟諸国に普及しているが、何のことはない、ソ連時代に培われた協同組合関係で売られているのである。
『輸出を伸ばす可能性はありません。投資が足りない。つい最近も、ウラジオストク近郊の造船工場<ズベスダ>から大きな注文が出ましたが、我々を素通りしていきました。受注したのは中国企業でした』と、同社工場のマーケティング担当は言う。
中国の競合会社は、借金を抱えたロシアの国内生産会社には提示できない特恵的な金融条件を提示した。しかし、会社の代表は、我々はそれでも政府官僚たちが実体経済の諸問題を熟知していると期待して、この輸出フォーラムに参加している、と言うのである。
輸出フォーラムに参加したそれほど先進的ではない残りの企業代表たちは、ロビーに残らず、<ロシア国産品―国外で認められる>と題された総会や<ロシアの輸出成長の新たな視点>と題された会議で政府代表たちが何をしゃべるかを聴くために、そそくさと議場内に入っていった。
シュワロフは何も新しいことは言わなかった。西側の対ロ制裁が解除されるならば、対抗制裁をとらない用意がある、とだけ述べた。輸出入停止が解除されるかもしれない日付は具体的にはあげず、1年後になるかも知れないし、10年後になるかも知れないと述べた。同第一副首相は1月のガイダル・フォーラムでも似たような発言をしている。
そのほかにもシュワロフ第一副首相は、輸出に軸足を置く企業が助成金をもらえるかどうかという、おそらくもっともピリピリした問題について次のようにコメントした。『助成金について言えば、実際我が国ではこれらの助成金がすべて合目的的に活用されているわけではない』この分野を担当している責任者たちの言葉によると、今、助成金に関しては<まったくみっともない事態>が生じている。したがって、この制度は改革する必要がある。シュワロフは、輸出業差たちにあらゆる提案を出してもらって、来年に<ロードマップ>を準備すると約束した。これでフォーラムは、事実上閉会した形であった。
輸出業者支援プログラムは、2012年に着手され、111の施策を含んでいる。結局、その80%が遂行されただけだった、とシュワロフ第一副首相は閣僚会議での報告で認めている。さらに19の方策を追加する計画が決定された。関税管理、国境通過所の設計と建設、書類手続きの簡素化を改善することなどが含まれている。言い換えれば、官僚たちはこの先数年間書類作業は行う、と請け合ったのである。さらに輸出業者の最後の一人に及ぶまで、延々と輸出援助メカニズムは修正・改善されていくだろう。
その間にいくつかの製品分野は輸出市場でその地位を明け渡すであろう。例えば貴金属である。ロシアはダイヤモンドと金塊を輸出して、毎年50し億ドルを稼いでいる。しかし、これは資源貿易だ。付加価値のつく貴金属製品の輸出は、<ロシア貴金属組合>長エドゥアルド・ウトキンの試算によれば、2014年度と比較して2016年度は7分の1に大崩れした。今年はさらに沈むだろう。2500億ドルの貴金属製品世界市場で、ロシアの占める割合は0,1%に過ぎない。
ビジネス業界は、ロシア国内の行政的障害が取り除かれるまでは、そして地政学的要因が解消されるまでは、政権が現実的に支援してくれて、海外市場でしっかりと稼げようになるとはそれほど信じていないように見える。
『我々は短期的な利益ではなく、我々より長生きするブランドをいかにして作っていくか、について考えなければならない』と、<実務ロシア>党首のアレクセイ・レピックは思案する。公式統計は資源外の輸出がいい方向に動いていることを示している。2017上半期の資源外輸出額は570億ドルで、2016年同時期と比較して18、7%多い、と貿易産業省付属景気分析センターは指摘しているのだが・・・」
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まったく変わり映えしませんね。
ティーセットや紅茶やチョコレートや細々した民芸品などを扱う個人輸入業者は、日本にもそれなりに存在しているみたいですけれど・・・

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